エアコンの適切な温度とは?暖房と冷房の違いは?

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一般的なエアコンは、「冷房」と「暖房」の両方の機能があります。

ただ、この「冷房」と「暖房」が機能として具体的にどう違うのか、詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

例えば、設定温度を同じ「25度」にしても、冷房と暖房とでは同じ室温にはなりません。

では、冷房と暖房は具体的に何が異なるのでしょうか。

まず、冷房は室内の温度を外気よりも低く保つことを目的としています。

冷媒と呼ばれる特殊なガスを使用することによって、室内の熱を室外に排出し、涼しい空気を供給することで室温を下げようとするのが冷房の原理です。

これに対して、暖房は室内の温度を外気よりも高く保つことを目的としています。

エアコン内部のヒーターによって、室内の空気を加熱し、暖かい空気を室内に送り込むことで室温を上げようとするのが暖房の仕組みです。

このように、冷房と暖房では目的や機能が全く異なります。

したがって、設定温度を同じ「25度」にしても、冷房と暖房では異なる結果になります。

エアコンの設定を「冷房」に合わせて設定温度を「25度」にした場合、エアコンの機能としては室温を設定温度まで下げようと稼働します。

そのため、例えば冬場に室温が10度程度の環境で、「冷房」を「25度」に設定しても、エアコンは室温を「25度」にはしてくれません。

なぜなら、既に室温は設定温度の「25度」を下回っているからです。

逆に、夏場に室温が30度の環境で、エアコンを「暖房」にして設定温度を「25度」にしても、同じ理由で室温が「25度」に近づくことはありません。

既に室温が設定温度を超えているため、暖房をつけてもエアコンはほぼ何もしないような状態になります。

このように、同じ設定温度でも、冷房と暖房では目的と機能が異なるため、違う結果になるのです。

ちなみに、エアコンの「冷房」と「暖房」を比較した場合、一般的に「暖房」稼働時のほうが電気代は高くなることが多いです。

エアコンは、主に設定温度まで室温を調整することに多くの電力を使います。

夏の「冷房」稼働時は、暑い地域では、外気温は最高気温で40度前後になるでしょう。

環境省の指針では、夏場は冷房の設定温度を28度に、冬場は暖房の設定温度を20度にするように推奨されています。

それにしたがえば、外気温と設定温度の差は、夏場においては12度程度です。

これに対して、冬場は地域によっては気温が氷点下に至ることも珍しくありません。仮に外気温が1度だったとしても、推奨される「暖房」の設定温度との差は20度近くになります。

このように、外気温と設定温度の差が大きければ、その分だけエアコンの消費電力も大きなものになってしまいます。

冬場は外気温との差が激しいことが多いため、「冷房」より「暖房」のほうが高い電気代になるケースが多いのです。

では、エアコンの適切な温度は何度でしょうか。

エアコンの冷房を使い始める「気温の目安」というのは一概には言えませんが、一般的には室温が30度を超えると多くの人が冷房を使用するようです。

環境省によれば、エアコンの設定推奨温度は28度で、実際の設定温度の平均では26.7度となっています。

湿度が高いと、体感温度はさらに上がるため、28度程度でも不快に感じることがあります。

このような場合は、設定温度を低くすることで快適な環境を保つことが可能です。

エアコンの機能には冷房と除湿(ドライ)がありますが、基本的に冷房は温度を、除湿は湿度を調整します。

この違いが夏の快適性や電気代に影響を与えます。

冷房は設定温度まで部屋を急速に冷やすため、消費電力が高くなりがちです。

そのため、冷房を長時間使用すると、電気代が高くなる可能性があります。

一方、除湿は湿度が設定値に達するまで基本的には冷房の弱運転を行いますが、一般的に電気代はそれほど高くならないとされています。

暑さが主な不快の原因であれば、冷房が最適です。

特に室内外の温度差が大きい場合、冷房で一気に温度を下げることができます。

しかし、ジメジメとした湿度が気になる場合や、室内で洗濯物を干しているときなどは、除湿機能がより適しています。

自分が快適だと感じる設定温度が28度より低いのであれば、基本的に28度以下に設定してからエアコンを稼働しても問題はありません。

ただ、設定温度28度以下でエアコンを使う場合、心配になってくるのが電気代です。

環境省の指針によれば、夏の冷房稼働時は、エアコンの設定温度を1度変えるだけで、約13%も消費電力が変わってくるそうです。

つまり、設定温度を低くすれば、その分だけ消費電力が増え、電気代もかさんでしまうことになります。

電気代が高騰しているなか、エアコンのフル稼働によって電気代がより高くついてしまうことは避けたいですよね。

電気代を抑えつつ快適さも追求したいなら、ただ設定温度を下げるのではなく、エアコンを工夫して使う方法が有効です。